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2007.02.11 (Sun)

ロシアの昔話と数字の3と音楽

ロシアの昔話の続きです。
「魔法の馬」についてはこちらに書いてあります。
今日も、紅茶でお付き合いくださいませ。

*********

みなさんは、ロシアのお話聞いたことがありますか?
今は小学一年生の国語の教科書に出てくる「おおきなかぶ」
知っている方も多いと思います。
私は、日本の昔話やグリムのお話、アンデルセン童話も好きですが、
ロシアの昔話にとても魅力を感じるのは何故でしょう?
ピアノ曲ではロシア物はあまり弾かないし
ロシアに行った事もないのに・・・
アエロフロートの飛行機に乗ったとき、モスクワ空港に給油のため降りたことはあるけど

ひとつは、変わったキャラクターがでてくること。
ロシアの昔話にはババヤガーというおばあさんが良く登場します。
ババヤガーはニワトリの足の上に建っている小屋にすんでいて、
(小屋がくるくる回ってるときもあります)
小屋の周りをぐるりと鉄の棒が刺さっていてそこには、しゃれこうべが飾ってあります。
ババヤガーは骨の足一本のとんがり歯の魔女です。
話によって、悪い役で登場することもありますが、
主人公を助けるための知恵を授ける、よい魔女のときもあります。
日本のやまんば的存在と言う人もいますが、違うんだわ〜
個性的です、すごく。
このキャラ大好き

もう一人のキャラクターは、地の果て、世界の果てに住んでいる
不死身のコシチェイというおじいさん。
何故不死身かというとコシチェイのいのちは箱の中に入っていて、
高い木のうえに置いてあり、それをコシチェイは守っているからです。
そして、大抵、姫をさらって監禁しています。
お話の中で、コシチェイは姫を助けに来た王子にこの箱の中の「命」を取られて死んでしまいます。
(不死身じゃないじゃん)
このキャラも大好き!

さて、キャラクター以外にロシアのお話に魅力を感じるのは
よく出てくるのが「」と言う数字のせいかもしれません。
人兄弟」「人姉妹」は定番で、
兄弟の場合番目が「バカのイワン」の時が多く、
姉妹の時は番目が賢い妹です。
ババヤガー人姉妹で出てくることもあります。
登場人物が人だと、冒険も回あります。
上の2人が失敗して番めの末むすこや末むすめが成功するというストーリーです。

日本の昔話にも、人兄弟は出てくることがありますが、(「なら梨取り」とか・・・)
ここまでたくさんのお話は無いように思います。

音楽にもという数字は出てきます。
メロディパッセージの回繰り返し。

たとえば、
ベートーベンピアノソナタ、悲愴の一楽章の冒頭部分。
 どーどれみ♭み♭ーれ ふぁーふぁそーら♭ら♭ーそ 
どーどれみ♭み♭ーれ どれみ♭み♭ーれーみーふぁ ら♭ーそら♭し♭ら♭そふぁ・・・
音楽が回目は発展して進んでいきます。
バレンボイムのベートーヴェン:Pソナタ全集
残念ながら品切れのようです・・・

チャイコフスキーのピアノコンチェルト一番の冒頭部分も同じ。
 ★ふぁれ♭どし♭ ジャン ★ふぁれ♭どし♭ ジャン ★ふぁれ♭どし♭ ジャンジャンジャンジャンジャン ピアノが入ってジャン ジャン ジャン(ああ、書きにくいったら・・・★の所は休符です)
アルヘリッチです。チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番

バッハのシンフォニアの9番テーマ
 ★ふぁら♭そ  ★そし♭ら ★し♭みふぁーみ♭れどし♭ら♭ (★の所は休符です)
賛否両論あるグレングールドのバッハです
バッハ:フーガの技法、インヴェンションとシンフォニア

まだまだ、たくさんあります。
曲の途中でもこんな場面に遭遇します。

そうそう、歌舞伎でも歌舞伎演目「与話情浮名横櫛」(お富さんで有名)の中で
与三郎の名台詞
「ご新造さんへ、おかみさんへ、お富さんへ、いやさお富、久しぶりだなぁ
この部分、好きです。
役者さんが良いとビタッと決まってかっこいい〜

尾崎紅葉作明治のベストセラー「金色夜叉」の貫一お宮の貫一の名台詞。
「来年の今月今夜は、貫一は何処でこの月を見るのだか!
再来年の今月今夜…
十年後の今月今夜…
一生を通して僕は今月今夜を忘れん、忘れるものか、死んでも僕は忘れんよ!

ホップ、ステップ、ジャンプじゃないけれど、
音楽もそうやって進むと気持ち良い・・・
ロシアの昔話もそのせいでしょうか。
なんとなく落ち着くのです。
そして、広い大地を想像させるお話。

チャイコフスキーもストラビンスキーもプロコフィエフも
こんな昔話を聞いて育ったのでしょうか・・・


EDIT  |  08:33  |  音楽雑学  |  TB(1)  |  CM(6)  |  Top↑

2007.02.09 (Fri)

魔法の馬

書こうかどうしようか、迷ったのですが、
「自分」と「父の死」を認めるために、
やはり記すことします。

今日はロシアのお話なので、コーヒーよりロシアンティーをお勧めします。
あ、でもね、ロシアでは紅茶にジャムを入れて飲む習慣は無いそうです。
日本人が作り出したものだそうですよ。
ロシアの人たちはコーヒーよりも、紅茶産出国ではないのに、
たくさんの紅茶を飲むらしいです。
はい、前置きが長かったですね。紅茶入りましたか?
 *  *  *  * 


来月、おはなしボランティアをしている図書館の
「おとなのためのおはなし会」で、
ロシアの昔話より「魔法の馬」を語ることになりました。

ロシアの昔話 ロシアの昔話
(2002/06/14)
福音館書店
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内田 莉莎子 (編集, 翻訳), タチヤーナ マブリナ (イラスト)の文庫本タイプです。
1989年に布クロス特装の豪華な愛蔵本が4200円で発売されていますが、
お話を覚えるために持ち歩くにはこの文庫本タイプが助かります。
私が大好きな本のひとつです。

その中から、  「魔法の馬」 
    あるところに父親と三人の息子が住んでいます。
    父親が亡くなる前に息子たちに、
    自分が死んだら、三日の間、一人ずつ、
    夜中にパンを持って墓に来るようにと言い残します。
    父親が亡くなった後、上の2人の兄さん達は末息子のばかのイワンに
    三日間とも墓に行かせます。
    そして、イワンは最後の晩に父親から
    魔法の馬のくつわを受け取ります。
    その頃、国の王様が高い塔を作らせ、
    その天辺の窓辺にに王様の一人娘を座らせ
    馬に乗ったまま、姫の所まで飛び上がり、
    娘の唇にキス出来た者には、姫の婿として向かえ
    国の半分を譲ろうというおふれをだします。
    イワンの兄さん達も挑戦しますが届きません。
    イワンは見事、魔法の馬で飛び上がり、
    姫と結婚します。めでたしめでたし。


という、語ると15分くらいのお話なのですが。
この話の前半、イワンが夜中にパンを持って墓に出かける場面があります。
そこで、きっかり夜中の12時に地面が割れて
墓からお父さんが起き上がって口をきくのですが、
その場所まで来ると、どうしても、先日亡くなった父を思い出して、
言葉が詰まってしまいました。
プログラム的には私のレパートリーから違う話を選んでも良かったので、
何度か変えてもらおうかと思いました。
もちろん、このお話は、父が亡くなる前に決まっていたのです。
私も大好きなお話ですし、一年くらい前に覚えて、
何度か小学校の高学年のおはなし会でもやっていたので、
「大人にも是非」と言われて引き受けたのです。

自分での練習中に何度か悪戦苦闘しているうち、
何故、そこで止まってしまうのか、気がつきました。
私自身が「父の死」を認めていなかったのです。

「魔法の馬」で、墓から起き上がったお父さんが
   「そこに居るのはだれだ
    わしの上の息子かね
    教えておくれ 
    ロシアはどんな様子かね
    犬たちは吠えているか 
    おおかみたちはうなっているか
    わしの息子たちは泣いているか」

と、訪ねます。それに対して、イワンは
   「ぼくだよ、お父さんの息子だよ。ロシアはどこも静かだよ」とだけ、答えます。
するとお父さんはパンを食べてまた墓に寝ます。

私はイワンのように答えられるだろうか?と考えました。
イワンのお父さんが、イワンにくつわを渡したように、
私も父からたくさんのものを貰いました。
それを認められずに居た自分に気がつきました。

そう思ったら、お話が身体の中にスッと入ってきて、
落ち着きました。

**************

ロシアの昔話は英雄伝説や笑い話などもありますが
なんといっても魔法昔話がピカイチです。
「かえるの王女」(これも私のレパートリーです)や
「牛の子イワン」「海のマリア姫」「空飛ぶ船」など、
本当に魔法の世界を満喫できるおはなしです。

ロシアの昔話を語らせると長くなる あるまんど ですので、
今日はこの辺で。
読んでくださってありがとうございました。 



EDIT  |  11:39  |  文学  |  TB(0)  |  CM(6)  |  Top↑

2007.02.04 (Sun)

虹のプレリュード

少し落ち着いてきましたので、ネット復帰します。
バタバタしていて、1月28日のバレンボイムのTVは見損ねてしまいました
昨日はまったく違う番組になっていましたから、あのシリーズは先週で終わりだったのでしょうか・・・残念

先週、一度取り下げた記事をUPしますね。
また、コーヒーでも飲みながらお付き合いくださいませ

*****

手塚治虫という漫画家をご存知でしょうか?
「鉄腕アトム」や「ブラックジャック」「ジャングル大帝レオ」などのマンガを書いた人です。
何を隠そう(隠していないけれど)手塚ファンの あるまんどです。
手塚治虫が大阪大学医学専門部卒業で医学博士だと言う経歴は有名なので知っていましたが(だから「ブラックジャック」は医療的裏づけがあるそうです)
彼が、少年時代からピアノに親しみ、かなりの腕前であり、音楽を愛していたと言うのは、つい最近まで知りませんでした。

手塚治虫原作の映画「どろろ」が公開したと言うので、
なんとなく、お店で漫画の棚をみていたら、手塚治虫の「マンガ音楽館」というコミックを発見。
手塚漫画はほとんど読んでいるし、読んでいなくても、題名くらいは知っているのに、「これは見たことないぞ」と手に取ったら、なんと、手塚作品の中から、音楽に関する物を集めた作品集でした。

手塚治虫マンガ音楽館 手塚治虫マンガ音楽館
手塚 治虫 (2002/05)
筑摩書房
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《内容》 第一楽章に音楽家を巡る伝記的作品
      「虹のプレリュード」(ショパン)
      「雨のコンダクター」(バーンスタイン)
     第二楽章にはさまざまなジャンルの音楽をテーマにした作品
      「0次元の丘」
      「白くじゃくの歌」
      「うたえペニーよ」
      「てんてけマーチ」
      「おけさのひょう六」
      「がらくたの詩」
     第三楽章に楽器にまつわる作品と音楽エッセイ
      「ミッドナイト/四月一日」
      「ロップくん/催眠ラッパ」
      「『フィガロの結婚』と私」(エッセイ)
      「ぼくとチャイコフスキー」(エッセイ)
      「ふたつのバッハ」(エッセイ)
      「鳥人大系 トゥルドス・メルラ・サピエンス(ブラックバード)」
       「ブラック・ジャック ストラディバリウス



さて、その中でショパンを描いた「虹のプレリュード」 

    時は19世紀、ロシアはポーランド侵略をねらっています。
    激動の時代を背景に、ワルシャワ音楽院で学ぶ若きショパン。
    彼の友人で、ロシアに反発して祖国を救おうと抵抗組織に入り、
    音楽院を退学になってしまった、ヨーゼフ。
    ヨーゼフをかくまって、愛してしまう、
    兄の身代わりとして男のフリをしてワルシャワ音楽院に編入してきたルネ。
    
恋に、芸術にそして祖国への愛に命を燃やす若き芸術家たちの姿を描いている中編漫画です。

このあらすじを読んで、何かに似ていませんか?って気がついた人いますか?
はい、そうです。「オルフェウスの窓」ですね。
女性なのに男装している主人公。
主人公が恋する、反逆者(こちらはオルフェだとバイオリン科ですね。手塚作品はピアニストですが)
そして、天才ピアニストで作曲科という登場人物、イザークとショパン。

「虹のプレリュード」が週刊少女コミックに連載されたのが75年10月。
「オルフェウスの窓」が週刊マーガレットに連載が始まったのも75年。

虹のプレリュード 虹のプレリュード
手塚 治虫 (1999/12)
講談社
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オルフェウスの窓 (1) オルフェウスの窓 (1)
池田 理代子 (1995/07)
集英社
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偶然なのか、どちらかが意識したのかちょっと不明です。

「虹のプレリュード」に出てくるショパンの作品は
ピアノソナタ作品10 ハ短調
ワルツ 変ニ長調
前奏曲 変ホ長調
革命のエチュード

ピアノソナタは第一番のことでしょう。
ワルツ変ニ長調は「子犬のワルツ」かと思ったら、19歳の時の作品70の3のようです。子犬のワルツはジョルジュサンドの飼っている犬を見て作曲したと言われていますから、ワルシャワ音楽院にいるショパンとサンドは、まだ出会っていませんし・・・
このマンガの中ではショパンが片思いしている女性にプレゼントするために作ったと言うエピソードで出てきます。
前奏曲変ホ長調は特定できませんでした。マンガでは音楽院を卒業してパリに行く時にルネに一緒に行こうと誘い、その時、ショパンはルネにこの曲をパリで最初に弾いてくれと楽譜を渡します。年表を見ても、この時代に書いた前奏曲がわかりませんどなたか知っていたら教えてください。
革命のエチュードこれは有名ですね。
ポーランドを後にした、ショパンは祖国が支配されていたロシア軍に対して反乱(革命)を起こして失敗したという知らせを聞いて、作曲します。マンガではここで、ルネとヨーゼフがロシア軍に殺されてしまいます。
ショパンが革命のエチュードを作曲し弾く場面が最後の5ページを占めていますが、さすが手塚マンガ!迫力あります。

ショパンのCDはこちら
アシュケナージショパン:12の練習曲
ポリーニショパン:12の練習曲
横山幸雄(ピアノ):「別れの曲」〜練習曲(全27曲)
カツァリスショパン:ワルツ集
ダンタイソンショパン:ソナタ全集


手塚氏はこのほかにもべートーベンをモデルにした
ルードウィヒ・B (1)
も、描いています。
EDIT  |  07:57  |  ショパン  |  TB(1)  |  CM(4)  |  Top↑
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