2007.10.23 (Tue)
トリスタンとイゾルデ
雑用にまみれて、しばし、間が空いてしまいました。
今日は「愛」のお話。
コーヒー
はモカでいかがでしょうか?
******************
私が、円卓の騎士のひとりであるトリスタンが、
ワーグナーのオペラ「トリスタンとイゾルデ」のトリスタンだと気がついたのは、
つい最近のことです。
トーマスマロリーの「アーサー王の死」にはトリストラム卿とかかれていましたし、
ローズマリ・サトクリフ「アーサー王と円卓の騎士」にでてくるトリスタンの恋する相手はイズーとなっていたので、ワーグナーのオペラと結びつきませんでした。
もともと、ワーグナーのオペラは「マイスタージンガー」しか見たことがないのです。
だって・・・長いんだもの。上映時間が。
ウィーンのオペラ座で観た「マイスタージンガー」も
たまたま席があったから入ってしまって、
下調べも何もなしで観たので、もう大変でした(何が大変かは、ご想像におまかせ)
印象に残ったのは・・・「長かった」でした。
なんとも、もったいない話です。
さて、オペラ「トリスタンとイゾルデ」 では第三幕の最後の場面、
傷ついたトリスタンに会うためイゾルデが船でやってきて、
彼女の腕の中でトリスタンは息を引き取りますが、
ローズマリ・サトクリフ 「アーサー王と円卓の騎士」 の中では、
イズーはトリスタンの最後に間に合いません。
死の床についたトリスタンは愛するイズーに一目会うため、
イズーが白い帆を張張った船で、こちらに来るのを待っています。
従者に「こちらに戻ってくる時にイズーが一緒ならば、船に白い帆を張り、
さもなくば黒い帆にせよ」と言ってあったのです。
妻は(トリスタンはイズーとの密会がマルス王に見つかった後、ほかの地で結婚しています)
そのことを、トリスタンのうわごとから知って、
最後の日に白い帆の船を見て、嫉妬に駆られて、「船が来たわ、黒い帆よ」と言ってしまいます。
これを聞いたトリスタンは生にしがみつく最後のものがなくなったので、そのまま息を引き取ります。
妻はあわてて、「白い帆よ、白い帆だわ」と言い直しますが、トリスタンの耳にはとどきません。







トリスタンのイズーに対する気持ちもわかりますが、
とっさに嫉妬に駆られた妻の気持ちが痛いほど伝わってくる場面です。
お話としては、こちらのほうが私は好きです。
オペラ「トリスタンとイゾルデ」 では、冒頭のトリスタン和音が有名ですね。
ラ ファ〜 ミの後に
ファ(F)、シ(B)、レ♯(D♯)、ソ♯(G♯) の和音が響きます。
和声学で言う減五七の和音の一種で、当時は”和声の危機”と騒がれました。
そのあと、同種の和音はアントン・ブルックナーの交響曲や
ドビュッシーたちが、使って作曲をしています。
たしかに、不安な響きがします。(ピアノとかお持ちの方、上記の和音下から弾いてみてくださいね)
そして、この音が解決しないまま、先に進むのです。
解放が許されない という空虚な気持になります。
常に何かに突き動かされ決して安らぐことがありません。
まさに、マルス王に密会が見つかって、逃避行したトリスタンとイゾルデの和音です。
そういえば、モーツアルトが3歳の時、クラヴサンを習いたての頃、
「愛する音」 と言って、和音の響きを楽しんでいたそうです。
どんな和音を探していたのでしょう。
今日は「愛」のお話。
コーヒー
はモカでいかがでしょうか?******************
私が、円卓の騎士のひとりであるトリスタンが、
ワーグナーのオペラ「トリスタンとイゾルデ」のトリスタンだと気がついたのは、
つい最近のことです。
トーマスマロリーの「アーサー王の死」にはトリストラム卿とかかれていましたし、
ローズマリ・サトクリフ「アーサー王と円卓の騎士」にでてくるトリスタンの恋する相手はイズーとなっていたので、ワーグナーのオペラと結びつきませんでした。
もともと、ワーグナーのオペラは「マイスタージンガー」しか見たことがないのです。
だって・・・長いんだもの。上映時間が。
ウィーンのオペラ座で観た「マイスタージンガー」も
たまたま席があったから入ってしまって、
下調べも何もなしで観たので、もう大変でした(何が大変かは、ご想像におまかせ)
印象に残ったのは・・・「長かった」でした。
なんとも、もったいない話です。
さて、オペラ「トリスタンとイゾルデ」 では第三幕の最後の場面、
傷ついたトリスタンに会うためイゾルデが船でやってきて、
彼女の腕の中でトリスタンは息を引き取りますが、
ローズマリ・サトクリフ 「アーサー王と円卓の騎士」 の中では、
イズーはトリスタンの最後に間に合いません。
死の床についたトリスタンは愛するイズーに一目会うため、
イズーが白い帆を張張った船で、こちらに来るのを待っています。
従者に「こちらに戻ってくる時にイズーが一緒ならば、船に白い帆を張り、
さもなくば黒い帆にせよ」と言ってあったのです。
妻は(トリスタンはイズーとの密会がマルス王に見つかった後、ほかの地で結婚しています)
そのことを、トリスタンのうわごとから知って、
最後の日に白い帆の船を見て、嫉妬に駆られて、「船が来たわ、黒い帆よ」と言ってしまいます。
これを聞いたトリスタンは生にしがみつく最後のものがなくなったので、そのまま息を引き取ります。
妻はあわてて、「白い帆よ、白い帆だわ」と言い直しますが、トリスタンの耳にはとどきません。







トリスタンのイズーに対する気持ちもわかりますが、
とっさに嫉妬に駆られた妻の気持ちが痛いほど伝わってくる場面です。
お話としては、こちらのほうが私は好きです。
オペラ「トリスタンとイゾルデ」 では、冒頭のトリスタン和音が有名ですね。
ラ ファ〜 ミの後にファ(F)、シ(B)、レ♯(D♯)、ソ♯(G♯) の和音が響きます。
和声学で言う減五七の和音の一種で、当時は”和声の危機”と騒がれました。
そのあと、同種の和音はアントン・ブルックナーの交響曲や
ドビュッシーたちが、使って作曲をしています。
たしかに、不安な響きがします。(ピアノとかお持ちの方、上記の和音下から弾いてみてくださいね)
そして、この音が解決しないまま、先に進むのです。
解放が許されない という空虚な気持になります。
常に何かに突き動かされ決して安らぐことがありません。
まさに、マルス王に密会が見つかって、逃避行したトリスタンとイゾルデの和音です。
そういえば、モーツアルトが3歳の時、クラヴサンを習いたての頃、
「愛する音」 と言って、和音の響きを楽しんでいたそうです。
どんな和音を探していたのでしょう。
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